桃川 杜氏
小泉光悦 一級酒造技能士
Kouetsu Koizumi
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昭和49年(1974年) 桃川入社
昭和51年(1976年) 国税庁醸造試験所 研修(1年間)修了
昭和59年(1984年) 一級酒造技能士 取得
平成28年(2016年) 桃川株式会社 取締役 就任
令和4年(2022年) 南部杜氏会に登録 現在に至る
鑑評会受賞歴
・全国新酒鑑評会 入賞受賞2回
・南部杜氏自醸清酒鑑評会 優等賞受賞(連続73回受賞)
・その他 全米日本酒歓評会、全国酒類コンクール、International SAKE Challenge、International Wine Challenge、ワイングラスでおいしい日本酒アワード、全国燗酒コンテスト で受賞
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■桃川の歴史
桃川は明治時代真っ只中の1889年に創業し、日本酒という伝統文化を紡いできました。時代ごとに様々な日本酒が造られたように、桃川もまた、技術を向上させそれを継承しながら日本酒を造ってきました。そして2022年、長らく活躍されていた小泉義雄前杜氏に代わり、小泉光悦新杜氏が就任しました。
杜氏とは、日本酒醸造を行う職人たちの先頭に立ち管理・監督を行う最高責任者のことです。小泉杜氏は入社後に醸造試験所に一年間研修生として在籍しましたが、その際に唎き酒の重要さについて学びました。
小泉杜氏の入社当時は現在よりも従業員が多く、南部(岩手県等)からの蔵人や地元の若い人も多く、ただ作業を成し遂げている状態だったことに違和感を覚えておりました。
そこで杜氏は、それぞれの工程の作業には意味があることを理解して頂く為にデータを取って頂き、年に1回発表の機会を作ったり、勉強会を企画したり、県内で人気の酒を毎月6種類購入しスタッフで甘辛、酸、香りの違う酒を唎酒訓練し、唎酒成績を競うような企画、唎酒能力アップを実施しました。
また、配属移動にて営業企画部門で勤務していた際には、にごり酒をベースにした新たなリキュールの開発や、季節にあった商品の開発、商品ラベルの検討など、様々な発想から商品開発に携わりました。
小泉杜氏の持つ多角的な視点は、このように製造だけでなく営業企画にも携わった経験から培われたものと思われます。
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チームワークから生まれる酒造り
“和醸良酒” という言葉を大切に
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前杜氏は製造の各工程ごとに専門のプロ人材を育成、鑑評会等で好結果と酒造りデータを残していただきました。今後加速するであろう高齢化や担い手不足の問題を考えると、小泉杜氏は彼らが他の工程の知識・技術が無いということに課題を感じたといいます。
「時間はかかるかもしれないが、今後は複数の工程において知識・技術を持ってもらえるように、ある種杜氏のように幅広く酒造りの全体をみれるような人を育てていきたい」
コロナウイルスの蔓延により各地で行われる様々な勉強会も中止になってしまいましたが、今後は積極的に参加を促したり、酒造りの部分は特にチームワークが重要になるので、小泉杜氏ご自身も酒造りについて知っていることを若手に積極的に教え、コミュニケーションをとっていきたいと考えます。
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“和醸良酒” という言葉を大切にしている小泉杜氏。
和を以って良い酒ができるという意味をもつ言葉ですが、年齢的に差のある多様なメンバーで成り立っているこの桃川で、一人ひとりを大切に、チームワークを大切に、良い酒を造っていきたいと考えます
「そのためにも、自分たちの造っているお酒をメンバーのみんなで飲む機会をもっと作りたい。
そして、 ”いい酒は朝が知っている” という桃川のキャッチコピーを、実際に体現していくために何が必要か、何をすればよくなるのかを議論したい」
桃川が和の中にあって、「昨晩飲んだお酒、おいしかったね」
というようなコミュニケーションが起きるような場を
生み出すことができたら嬉しいと想いを込めます。
◆手仕事で守る伝統の味 桃川蔵人
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